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「お鳥見女房」

その題名から何となく敬遠していた、諸田玲子の「お鳥見女房」シリーズ全7冊を読み終えた。
女房・・・というから、どこぞ町家の人のいい世話焼きのおかみさんの話かと思っていたら大違いだった。
まず御鳥見役(おとりみやく)という役職は初耳だったが、れっきとした将軍家直参のお家柄だった。
たかが・・といえば恐れ多いかもしれないが、将軍の鷹狩に関連する世話役で、代々の御鳥見役の家に生まれた珠世というおおらかな女性が主人公の話である。
養子に迎えた夫との間に4人の子を生し、長女の幸江は格上の家に嫁いでいたが、この長い物語の間に長男久太郎、次男久之助、次女君江と3人の子らが当時としては珍しく恋愛結婚していく。
夫が御鳥見役の裏仕事である密偵中に失踪したり、父親久右衛門の秘密が露呈したり、父の後を継いで御鳥見役になった嫡子久太郎の劇的なロマンスがあったりで全く退屈しない。
結果みんなが丸く納まってめでたしなんだけど、それらがすべて来る人拒まずのおおらかな珠世の性格故であったと感じいるのだ。
5人の子連れで矢島家に居候を決め込んだ厚かましい浪人を、何かの縁と迎え入れる珠世の気の良さは「エーッ!?」と思うほどだが、彼らが家族同然にお互いのことを思いやる関係になっていく過程を見ると、珠世の来るもの拒まずの精神は間違っていなかったのだろうと思う。

直参・旗本・御家人そして陪臣などという言葉を久しぶりに聞いた気がする。
何しろ将軍家に直接仕える直参からみれば、大名の家老といえども陪臣なのだ。 
明治維新を迎えようとしたころ、浅黄足袋・又者とそしられた陪臣たちの苦労を描いた「お登勢」を思い出した・・・。
何しろこの御鳥見役という役職は新鮮だった。
まだまだ知らない役職があったのだろうし、それだけ将軍家とは膨大な権力を持っていたということだろうなあ。
将軍家を描いた本もいいかもしれない・・・。
そろそろ諸田玲子も卒業しようかなあ・・・、思案している。
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