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あくじゃれ瓢六

「あくじゃれ瓢六」という題名に、勝手に中年のあばた面の目明し?くらいの想像をして、諸田玲子の本をずーっと読んでいるものの敬遠してきた本だった。
新しい本を探していてパラパラとめくったら、瓢六の人物設定が面白そうだったので読んでみることにした。
なにしろ稀代のいい男と書いてあるし、表紙の絵に何とも惹きつけられた・・・。
全5冊なんだけど№をふってあるわけじゃないので、順番に読んだわけではない。
「あくじゃれ瓢六」
「こんちき」
「べっぴん」
「再会」
「破落戸」(ごろつき)
IMG_9199.jpg
最初に読んだのは「こんちき」だったが、作者によると瓢六は博覧強記・舌人・人脈多彩、しかも少々腕も立ち驚くほどの色男・・とあった。
貿易も行なう長崎の大店綺羅屋の息子でありながら、瓢六がなぜ江戸に出て来たのかその理由は全5冊を読んでも不明だった。
無類の人たらしでもあったが、なまじ女にモテるものだから定職にもつかず、博打三昧の小悪党になり果て牢送りとなったが、その余りある才能が北町奉行所与力菅野一之助に認められ、同心篠崎弥左衛門の相棒として様々な事件解決に協力する約束で牢を出されたのだった。
長屋暮らしをしていたものの芸者お袖に惚れこまれ、自他ともに認める夫婦同然の仲だった。

それが「再会」を開いてみると、瓢六は親しかった長屋仲間にも誰にも告げず姿を消し、貧乏旗本の屋敷内に身を潜めていた。
快活でおしゃべりだった瓢六は、すっかり心を閉ざし死んだようにひっそりと生きていたとある。
なぜなぜ?
エーッ、5年前の大火でお袖が行方不明になってしまったんだって・・・。
半狂乱になった瓢六はお袖を探し回ったが未だに見つからないという設定になっている。
小説なのにお袖と夫婦にさせてやればよかったのに・・。
しかも死んだとは書いていないので、最後にはどこかで出会って二人が「再会」するのかと思いながら読み進んだ。
だがこの再会はお袖とではなくて、親友とも呼ぶべき同心弥左衛門との再会だった。
彼もまた瓢六を探していたのだ。
弥左衛門の必死の説得や懐かしい人々との再会、そして突然現れた美しい人奈緒によって再び気力を取り戻していく瓢六・・・。

その奈緒に瓢六はかなわぬ恋をしてしまう。
身分ちがいの許されない恋であったが、最後には二人の想いが結ばれて明るい未来になりそうな終結だった。
ホントは愛すべきお袖姐さんと幸せになって欲しかったけどなあ。
若くて生きが良くて女には百戦錬磨の、役者も黙るような色男の瓢六は、渋い男盛りの中年になって新しい出発をするんだね・・・。
瓢六が生涯の友とも思う生真面目な弥左衛門もいいキャラだし、風流を愛する与力菅野一之助もとても魅力的に描かれている。
彼は屋敷から一歩も出ないで命令をするだけなのだけど、人を食ったような飄々としたふるまいにさえ惹きつけられる。
終盤には勝麟太郎もおなじみのべらんめえ口調で登場して話を盛り上げるが、シリーズものとしてはやはり結末がスッキリとはしなかった。
ハッピーではないしアンハッピーでもないから・・・。
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